こんにちは。cele-bra.com、運営者の「リナ」です。
街中で見かける、あのヘリンボーン柄のバッグ。
「ゴヤールって素敵だな」と思う反面、調べてみるとその価格に驚かされますよね。
一見するとシンプルなトートバッグなのに、なぜこれほど強気な価格設定なのか、不思議に感じる方も多いのではないでしょうか。
検索してみると「安っぽい」「劣化」「後悔」といった気になる言葉も見かけますし、特に持ち手のベタつきなどは日本の気候だと心配なポイントです。
でも実は、その高さには歴史に裏打ちされた明確な理由と、ただのブランド料だけではない驚きの資産価値が隠されているんです。
今回は、そんなゴヤールの価格の謎や、実際に使う上で知っておきたい注意点について、私の視点から分かりやすくお話ししていきたいと思います。
- 創業200年を超える歴史と王室御用達ブランドとしての特別な付加価値
- ビニールとは全く異なる天然素材ゴヤールディンの驚きの耐久性とコスト
- 日本の夏場に注意したいハンドルのベタつきや角スレなどの劣化リスク
- 使った後でも定価以上で売れる可能性がある衝撃的なリセールバリュー
歴史と素材からゴヤールがなぜ高いのか理由を解明
ゴヤールのバッグがなぜこれほど高価なのか、その理由は単に「ブランドだから」という言葉だけでは片付けられません。実は、そこには200年以上続く歴史の重みや、現代の効率化とは逆行するような手間ひまかけた素材作りが関係しているんです。まずは、その価格が形成される背景にある「納得の理由」を深掘りしていきましょう。
多くの芸能人が愛用する王室御用達の権威
ゴヤールを持っていると「あ、あの人は分かってるな」という空気感が漂うのは、その歴史的背景が圧倒的だからかもしれません。実はゴヤールのルーツは1792年まで遡り、あの有名なルイ・ヴィトンよりも歴史が古い世界最古のトランクメーカーの一つなんです。
かつては英国王室やロシア皇帝、そしてウィンザー公爵夫妻といった正真正銘のロイヤルファミリーが顧客リストに名を連ねていました。現代でもカニエ・ウェストやエイサップ・ロッキーといったファッションアイコンが愛用していますが、これは単なる流行ではなく、歴史的な「成功者の証」として選ばれているんですよね。
私たちが支払っている金額には、フランス革命前から続くこの「時間の対価」と、王室御用達ブランドを持つというステータス料が含まれていると言えます。
サンルイの値上げ推移と最新の定価情報
ここ数年、ゴヤールの価格改定は本当に凄まじいものがあります。「いつか欲しい」と思っているうちに、どんどん手が届かない存在になってしまったと感じている方もいるのではないでしょうか。
例えば、定番のトートバッグ「サンルイPM」ですが、数年前までは15〜16万円程度で購入できた記憶があります。しかし、2025年現在では定価ベースでも20万円台後半、並行輸入や新品市場では30万円を超えることも珍しくありません。特に米国では2025年の春に値上げがあり、サンルイPMは約1,890ドル(日本円で約28〜30万円前後)になっています。
原材料費の高騰やフランス国内の職人さんの人件費アップ、さらには円安の影響も直撃しています。かつては色によって価格が違うこともありましたが、現在は全色がスペシャルカラー価格に統合されたことも、実質的な大幅値上げに繋がっていますね。
人気の秘密はネット通販をしない希少性
今の時代、スマホ一つで何でも買えるのが当たり前ですが、ゴヤールはその流れに完全に逆行しています。公式サイトを見ても、綺麗な写真はあっても「カートに入れる」ボタンがどこにもないんですよね。
購入するには、世界に数えるほどしかないブティックに直接足を運ぶしかありません。日本では東京や大阪など数店舗のみ。この「簡単には手に入らない」という不便さこそが、実はゴヤールのブランド価値を極限まで高めている最大の要因なんです。
わざわざお店に行っても「在庫なし」で買えないこともしばしば。この徹底した供給制限が「幻のバッグ」のような憧れを生み出し、持っていること自体の特別感を演出しているんですね。
ゴヤールディン素材の耐久性と機能美
よくネット上の口コミで「ゴヤールってビニールでしょ?なんであんなに高いの?」という声を見かけますが、これは大きな誤解なんです。私自身も最初はそう思っていたんですが、実はあの素材「ゴヤールディン」は、石油系のビニールとは根本的に違います。
ベースになっているのは、麻(ヘンプ)、リネン、コットンという3つの天然素材を混紡したキャンバス地なんです。これらは現代のナイロンなどより遥かにコストがかかる素材です。そこに独自の天然コーティングを施すことで、完全な防水性と、使い込むほどに柔らかくなる独特の「クタり感」を実現しています。
元々が川で木材を運ぶ「筏(いかだ)流し」の作業着から着想を得ているので、水に強く、驚くほど軽いのが特徴です。この機能美こそがゴヤールの真骨頂ですね。
安っぽいという誤解を解く製造プロセス
「プリントが安っぽい」なんて意見もたまに耳にしますが、実物を見るとその奥行きに驚かされます。あの有名なヘリンボーン(杉綾模様)のY字柄、実は単なるプリントではありません。
下地の色の上に、3回以上も異なる色を重ねていく「積層プリント」という技術が使われています。これによって、触るとわずかに凹凸を感じるような立体感が生まれるんです。かつては全て手描きだったそうですが、機械化された今でも非常に複雑な工程を経ています。
さらに、イニシャルを入れる「マーカージュ」は現在でも職人さんが手作業でペイントしています。安価なコピー品がペラペラに見えるのは、この複雑な積層工程や天然素材の質感を再現できないからなんですね。
ゴヤールはなぜ高いのに劣化や後悔のリスクがあるか
ここまでゴヤールの素晴らしさをお伝えしてきましたが、高いお金を出すからにはネガティブな面もしっかり知っておく必要があります。特に日本の環境では特有のトラブルも報告されていますので、購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、リスクについても包み隠さずお話しします。
持ち手のベタつきは日本の湿気が原因
ゴヤールユーザーの間で最も恐れられているトラブル、それが「ハンドルのコバ(縁の塗装)が溶ける」現象です。特に梅雨から夏にかけての日本の高温多湿な環境は、バッグにとってかなり過酷なんですよね。
ハンドルの縁に塗られた溶剤が、湿気や手汗、ハンドクリームなどの油分と反応してベタベタになり、最悪の場合は洋服に色が移ってしまうこともあります。これは「加水分解」に近い現象だそうです。
注意点: 修理には数万円の費用と数ヶ月の期間がかかることがあります。夏場は使用後に乾いた布で汗を拭き取る、風通しの良い場所で保管する、あるいはハンドルカバーを付けるなどの対策を強くおすすめします。
購入して後悔しないためのデメリット理解
一番人気の「サンルイ」は、元々ビーチバッグとして作られた歴史があるため、機能面で「あれ?」と思うことがあるかもしれません。具体的には、内ポケットがない(小さなポーチのみ付属)、そして開口部にジッパーがなく開きっぱなしになる点です。
「中身が丸見えになるのが不安」「仕切りがないから中で物がぐちゃぐちゃになる」という理由で後悔する方もいらっしゃいます。ただ、これは「無造作に物を放り込める」というメリットの裏返しでもあります。
もしセキュリティや仕切りを重視するなら、ジッパー付きの「アルトワ(Artois)」や、リバーシブルでしっかりした作りの「アンジュ(Anjou)」を選ぶのが正解かなと思います。
キャンバス素材の寿命と劣化を防ぐ方法
ゴヤールディンは丈夫な素材ですが、決して「無敵」ではありません。特に注意したいのが「角スレ」です。サンルイなどは構造上、四隅の角が尖っているため、地面に置いたり擦れたりすると、意外と早くキャンバスに穴が開いてしまうことがあります。
これを防ぐためには、底板(中敷き)を入れてバッグの形を安定させるのが効果的です。また、電車などで床に直接置かないようにするだけでも、寿命は数年変わってくると思います。大切に使えば10年以上愛用できるポテンシャルはあるので、日々のちょっとした気遣いが大切ですね。
定価以上で売れる驚異的な資産価値
「高い」と感じるゴヤールですが、実は「出口戦略」まで考えると、これほどコスパの良いバッグはないかもしれません。というのも、ゴヤールの中古市場での価値(リセールバリュー)が異常なほど高いからです。
2024年のデータでは、ゴヤールの価値維持率はなんと104%という報告もあります。つまり、定価で買っても、数年後に定価以上の価格で売れる可能性があるということです。エルメスですら100〜103%と言われる中で、この数字は驚異的ですよね。
店舗でなかなか買えないという「供給不足」が続いているため、すぐに欲しい人がプレミアム価格でも購入してくれるんです。30万円で買っても、将来高く売れるなら、実質的な持ち出しはゼロ、あるいはプラスになる可能性すらあります。
結論としてゴヤールがなぜ高いかを総括
ここまで見てきたように、ゴヤールが高いのには明確な理由があります。
それは、1792年から続くトランクメーカーとしての圧倒的な歴史と権威、天然素材にこだわった独自の製造コスト、そして徹底して数を絞ることで維持される希少性です。単なるファッションアイテムとして見ると「高い」と感じるかもしれませんが、「資産価値のある持ち運べるアート」として捉えれば、その価格設定はむしろ合理的と言えるかもしれません。
もちろん、日本の湿気対策や角スレには注意が必要ですが、それを補って余りある魅力とステータスがゴヤールにはあります。一生モノのパートナーとして、検討してみる価値は十分にあるんじゃないかなと私は思います。